PTC Creo 7.0が間もなくリリースされます
Creo 7.0は2020年4月14日にリリースされました。
Creo Parametricを起動し、デフォルトの内蔵ブラウザにEXPLORE CREO “See what is new in Creo > LEARN MOREというリンクがあったのでアクセスしてみました。アクセスするとCreo 7.0 is Coming Soon!というページが表示されCreo 7.0のリリースについて少しだけ情報が公開されています。本記事ではPTC Creo 7.0について公開されている範囲で少しご紹介します。
公開されているCreo 7.0のページ
デフォルトでは英語表示でしたが日本語にしてみると、日本語情報も公開されていました。
たくさんあるであろう新しい機能の中から3つに絞って表示されていたのは、1)ジェネレーティブデザイン、2)リアルタイムシミュレーション、3)マルチボディデザイン でした。本記事では、いま現在わかる範囲でこの3つの機能をご紹介します。
1) ジェネレーティブデザイン
Creo 5.0から追加されたオプション「トポロジー最適化」は基になる”かたまりの形状”を、条件を考慮しながら、そぎ落として最適な形状を自動的に造形していくものでした。それに対して新しい「ジェネレーティブデザイン」機能は、あらかじめユーザーが設定した製造方法や拘束条件、荷重条件などを考慮しながら、何も形状のないとことから形状を自動的に生成していくものです。またPTCのジェネレーティブデザインはAIを活用して様々な形状を条件をもとに造り出すことができる特長があります。
2) リアルタイム流体シミュレーション
Creo 4.0以降で利用可能なCreo Simulation Live(CSL)に新しい機能が追加されます。Creo Simulation LiveはCreo 4.0 M090以降、Creo 5.0.4.0以降、Creo 6.0.1.0以降のリリースで利用可能なリアルタイムシミュレーションのオプションです。Creo 6.0までのCreo Simulation Liveでサポートされていた解析は、構造解析、熱解析、固有値解析の3つでした。新しいCreo 7.0以降のCreo Simulation Liveには、これらの解析に加えて流体解析が追加されます。これにより流体を伴う解析・設計検討がリアルタイムに可能になります。
3) マルチボディデザイン
Pro/Eを含めCreo Parametric 6.0までは、マルチボディという考えがありませんでした。そのため同一部品内で作成されたフィーチャーはすべて一つのソリッド(ボディ)となります。Creo Parametric 7.0以降はマルチボディという考え方が導入されます。部品の中に構成部品のようなボディという単位の形状が存在できるようになります。例えば樹脂ケースの設計ではカバー側とリブやボス側の形状を別の部品で作成してアセンブリ内でマージするというような方法をとられていた場合、従来はアセンブリを作成しなければいけなかったのが部品内でできるようになります。流体が内部を流れるような部品においても、部品の固まりの部品と流体部分の部品をアセンブリ内でカットするというような場合にも一つの部品で対応が可能になります。
PTC製品カレンダーで確認したところCreo 7.0.0.0が2020年の4月にリリース予定(2020年3月18日現在)となっています。Creo 7.0の新しい機能を発見したら、またご紹介させていただきたいと思います。
*PTC Creo 7.0とは、米国PTC ( Parametric Technology Corporation / パラメトリック・テクノロジー・コーポレーション)が開発し2020年4月に発表予定の、CAD製品スイートの最新版。Creo 7.0は様々なCAD製品ラインナップで構成されており、その中には、以前Pro/ENGINEER Wildfireという名称で開発されていた3DCADの後継製品Creo Parametricも含まれています。
**株式会社アシストエンジニアは、PTC Creo, Creo Parametric, Creo Elements/Direct, Windchill, Mathcad, Vuforia ChalkなどPTC製品の販売代理店(プラチナパートナー)です。