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宮川の独り言 -61話-

独り言

2023年06月05日

宮川の独り言 -61話-

 こんにちは、アシストエンジニアの宮川です。6月2日の大雨は、皆さん無事に帰宅出来ましたでしょうか?弊社、東京支社は、早めに帰宅させたので特に問題ありませんでしたが、北陸に出張に出ていた営業が東京で足止めされ、愛知に帰れなかったようです。

 さて、今月の独り言ですが、仕事に関係のある真剣な内容のお話しをしたいと思います。先月、ある会社のセミナーを受講しました。そのセミナーは、ドイツ、ハノーバで開催された展示会(ハノーバメッセ)の内容の報告も兼ねたセミナーでした。ハノーバメッセとは、日本の企業はもちろん世界中の企業が集まる展示会です。その展示会で感じた事をある企業の方(製造業)がお話しされていました。

 語られた内容は、このままでは、日本の製造業は、世界のサプライチェーンに入れてもらえない。取り残されてしまうという危機感を本当に感じたという内容でした。

 では、その内容をもう少し具体的にどんなことが危機だと感じたのでしょうか?製品・部品の品質やコストで負けてしまうという事でしょうか?その方が語られていた危機感とは、サプラーチェーンを考えたものつくりへの対応だという事でした。

 皆さんもサプライチェーンは、重要だと頭では、思っておられると思います。私もこれからのものつくりは、サプライチェーンも重要だと思っています。しかし、そのサプライチェーンの位置づけが私の考えている内容とハノーバメッセで考えられている内容が全く違う様なのです。私がサプライチェーンマネジメントで思いつくのは、適正在庫・紛争や災害にも強い製造地域や流通ルートなどの内容です。全く、お恥ずかしい話ですが、そんな事しか思いつきません。しかし、ハノーバメッセに参加し、展示している製造業の殆ど(日本の製造業以外)は、自分たちの製品・部品は、性能・品質・コスト以外にこのような情報も一緒に提供できますというサプライチェーンマネジメントに欠かせない情報共有の仕組みまでも見せているとの事なのです。

 例えば、製品の製造における材料の供給方法・供給場所・在庫の管理手法・納期管理手法までをもオープンに提供し、最終ベンダーがサプライチェーンの中で全てを見やすく管理できることを目的とした情報共有すべてがサプライヤーとしてのバリューだとアピールしている様なのです。日本の参加している企業は、今までの通り、自社の製品のアピール(性能・品質・コスト)で終始していたとの事でした。

 企業のバリューの考え方が既に変わってきているとおっしゃっておりました。その方自身も日本企業は、ものつくりのサプライチェーンの蚊帳の外になってしまうと話されておりました。3次元での設計とそれに伴う3DAの運用も世界的に既に取り残されている感じ(まだ、ギリギリ間に合うかもしれませんが)があり、またサプライチェーンの考え方も取り残され、そもそも、いろんな面で人海戦術対応してきた日本の製造業は、竹やりで戦っていて、勝ち目無しという感覚にも近いと思うのは、私だけでしょうか?やはり、世界と戦うには、それなりの武器が必要でその武器は、情報を一元管理する仕組みしかないと思うこの頃です。有効な武器を揃えるためにROIの持論がどこまで必要なのか?も要検討です。少なくとも日本の製造業もサプライチェーンを意識したものつくりとその為に必要な情報の管理を徹底し、いつでもその管理した情報を使いまわせる(こなせる)様にしておくことが必要だと思います。

 世界の製造業の中で自分たちがどのように生き残っていくかは、非常に重要なポイントで、その為にどのような情報を管理すべきかを日頃話し合っていただく事が重要なのかもしれません。

 今月の独り言は、少しまじめなお話しとなりましたが、さて、来月は、どんな独り言にしましょうか?また、来月に。

㈱アシストエンジニア 宮川